2000年1月10日AM4:15 タヌキ
![冬枯れの野にエサを探す](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=330x1024:format=jpg/path/s455a630426315a45/image/ie4d7ec8ed1bd6ee3/version/1392025794/image.jpg)
神戸市立森林植物園 トラップカメラ by権藤眞禎
2007年5月 ヌートリアと生息環境
![ヌートリア](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=330x1024:format=jpg/path/s455a630426315a45/image/ia80c92d4aa710c71/version/1392026526/image.jpg)
三田市相野近郊の武庫川 権藤眞禎撮影
外来獣として駆除対象動物。
溜池の堤に穴を掘り、溜池の決壊につながる。
![ヌートリアの生息環境 顔を出しているのが分かるだろうか](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=620x10000:format=jpg/path/s455a630426315a45/image/ieaee61442c6ccf41/version/1392026681/image.jpg)
2009年6月16日PM11:52 キツネ
![崖を下りるキツネ](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=330x1024:format=jpg/path/s455a630426315a45/image/i2f3b61f154ca62ca/version/1392024927/image.jpg)
神戸市立森林植物園 トラップカメラ by権藤眞禎
2013年10月9日PM10:34 ニホンジカ
![青い葉を食べているようだ](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=330x1024:format=jpg/path/s455a630426315a45/image/ic22be50e57b91f4c/version/1392026210/image.jpg)
豊岡市の竹野スノケールセンター トラップカメラ by権藤眞禎
2014年1月1日:アナグマは増えているのか?
![](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=300x1024:format=jpg/path/s455a630426315a45/image/i4e3d435657e0b3d0/version/1392035784/image.jpg)
副理事長 谷口誠司
毎年、我が家の年賀状は、「サンキュウ牧場」の動物写真である。以前は、ほとんどの「干支」を飼育している動物で賄えたが、最近は動物の数も減り、今年は亡くなった馬の「ハヤテ」に代わり、アナグマの「クーチャン」が代役を務める。「本年もよろしクー♪」と言うわけだ。
秋も深まり、木の葉が落ちだすと、私の住んでいる三田市藍本のサンキュウ牧場や周辺の平地に、あちこち穴が掘りまくられるようになる。アナグマの餌探しの跡で、イノシシの鼻跡やモグラの穴とは明らかに異なる。穴の底に小さな穴があいているのをよく見かけるが、これは地中のミミズを引っ張り出した跡らしい。農業被害の一斉捕獲で捕らえられ、やってきたクーチャンはミミズよりラーメンのほうが好きであるが、雑食性のアナグマは、種子や果実、農作物、小動物も食べている。そうだ。確かに、ここ4、5年でアナグマは急激に増えたように思う。夜行性のはずであるが、昼間も結構見かけるし、交通事故で昇天した姿も目にする。
アナグマは本州、四国、九州の山野に生息し、広くヨーロッパなどに分布している。日本のものは亜種名として、ニホンアナグマと呼ばれており、兵庫県版レッドデータブック2003では「個体数激減」を理由にCランクになっている。そんなアナグマが近年、本当に増えたのだろうか?
実は今、密かにアナグマのファンが増えていて、当方に見に来られる方も結構多い。そのクーチャンを観察していると、臆病者なのか、のんき者なのか、さっぱり分からない。小さな物音で、慌てて隠れるかと思えば、仰向きになってくつろぎ、日光浴もする。ただ、平和主義者であることは確かだ。後から来たタヌキや隣のケージのサルに大好物の柿を取られても決して怒らないし、争いを好まない。
![夜間。巣の主のアナグマが出てきた](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=330x1024:format=jpg/path/s455a630426315a45/image/iaf0bafcb0b3f9a65/version/1392036095/image.jpg)
加東市の「県立やしろの森公園」では、私が呼び掛けて「播磨野生動物調査研究会(野動研)」を立ち上げた。メンバーのOさんが見つけたアナグマの巣穴を、2台のセンサーカメラを使って5年間にわたって調査している。ここでも平和主義者を思わせる生態を見ることができる。
一見タヌキに似ているが、イタチ科の動物で、前足に大きな爪があって、穴掘りが非常にうまい。巣穴は通路のように走り、広範囲に掘られており、いくつかの出入口につながっている。網目状の穴にタヌキやキツネ、アライグマといった他のさまざまな動物が入り込み、利用している。居候を許しているのだ。その様子がセンサーカメラに写っている。
![何とアライグマが同居している](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=490x10000:format=jpg/path/s455a630426315a45/image/i527a84c32d213255/version/1392036386/image.jpg)
![日が昇った。か、カケスが現れた](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=490x10000:format=jpg/path/s455a630426315a45/image/i2e19414660adf126/version/1392036393/image.jpg)
![キツネが出てきた](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=490x10000:format=jpg/path/s455a630426315a45/image/i7b05da12b21fbbc6/version/1392036375/image.jpg)
![タヌキも出てきた](https://image.jimcdn.com/app/cms/image/transf/dimension=330x1024:format=jpg/path/s455a630426315a45/image/i105ca6c16fbafea1/version/1392036503/image.jpg)
アナグマはムジナとも呼ばれる。「同じ穴のムジナ」とはよく言ったものだ。穴が掘れないタヌキはムジナの穴を利用し、住んでいる。その様を言っているのだろう。
自分の掘った穴をタヌキだけではない、他のいろんな動物、つまり「森の仲間」に提供する寛大な心を持っている。やはり、平和主義者だったのだ。
「共存」の姿勢が、近年勢力を拡大しているアライグマにも受け入れられ、争うことなく、着実に子孫を残して増えている。こんなところに、最近のアナグマの動向を知る手掛かりがあるのではないだろうか。一連の写真はそんなことを考えさせる。
クーチャンも野生のアナグマも、とにかく愛嬌者である。
寛容な彼らにふさわしい。